未来の住宅〜カーボンニュートラルハウスの教科書

竹内 昌義,馬場 正尊
バジリコ

2人の建築家と東北芸術工科大学の准教授、教授そして環境デザイナーの5人の共著です。


出だしは
「カーボンニュートラルハウスはなぜ必要か」。


カーボンニュートラルとは
カーボン=炭素」「ニュートラル=中立」という意味で
地球温暖化の原因となる二酸化炭素を増やさないという考えです。


産業分野だけではなく一般の家庭ベースで考えていきましょう。
という事を世界各国から社会全体そして家庭での事例に
落とし込んでいて分かりやすく紐解いてくれています。


ここでの提案はシンプルに2つです。


1.徹底的に省エネルギーとする
 →化石燃料の使用量をおさえる
2.化石燃料ではなく、再生可能エネルギーをつかう
 →太陽光発電バイオマスエネルギーなど


上記のポイントを広げて建築物=住宅においての削減ポテンシャルが
いかに高いか、急務にとりかかる必要性を訴えています。


他国での事例では
*ロンドンではゼロカーボンの開発地区をつくる動きが出てきている
*欧州ではエネルギーをほとんど使わないパッシブハウスという
 基準の住宅が普及し始めている
*上記に伴いアクティブエネルギーハウスやプラスエネルギーハウスが
 話題になってきている(要するにエネルギーを生み出す家という発想)


破壊、再生不可能というイメージがついている建築は
エネルギーの消費者ではなく再生可能なエネルギーの生産者に
なりうるのです。


どうしても建築するときに発生するイニシャルが高いイメージが
ありますが、ランニングといって家を維持するときに発生する
CO2のほうがはるかにエネルギーを消費してしまうのです。


沢山の事例の中で分かりやすい3例をご紹介します。


1.木の地産地消

 日本は森林国家であって木材を8割輸入に頼っているそうです。
 その輸送に対してどれだけのCO2を出しているのでしょうか。

 食品と同じ考えからトレーサビリティも建築・住宅に対して
 必要であるということです。

 
 ※ウッドマイルズ研究会の調査によると
  国内の住宅の木材の輸送に約3トンのCO2を出しているそうです。

2.暖房を抑えることがCO2の排出を減らす


 暑い夏の冷房を抑えることが省エネと思い込んでいませんか?
 高断熱化をさせることでエネルギー消費を減らすことに。


3.使い捨ての家ではなく長く使い続けるほうがエコである


 未来の住宅に関しての課題でもある「引き継ぐ」という概念
 中古市場を発達させ世代を超えて「住まう」を創造する


今までの概念を超えた発想がどんどん必要になってきます。

例えば・・・

*太陽光を取り込むことであっても太陽パネルのデザインの面
*住まう段階でのランニングコストを少しでも減らす設備の
 センシング技術(人間と機械との融合)
*2050年までに具体的にどのように何を行うのか?という
 バックキャスト(逆算してアクションプランを立てる)案


などなど課題は沢山ありますが
少しずつ出来るところからと示唆してくれる一冊です。