土との共鳴を〜ウィーン、ロンドン、都市に生きた陶芸家ルーシー・リー展

「陶器制作は私にとって冒険である。新しい創作はすべて新たな始まりである。」

ウィーン工業美術学校に学び、ロンドンで制作を続けたルーシー・リーの言葉です。
ウィーンで生まれ、ウィーン工業美術学校に学びロンドンで半世紀を制作に
捧げた女性陶芸家です。

ルーシーリー

待望の
展覧会が国立新美術館(2010年4月28日〜6月21日)で開かれています。
約250点という膨大な作品に触れる機会はそうめったにありません。

内容は大きく
*初期 ウィーン時代
*形成期 ロンドン時代
*円熟期
と3つに期に分けられています。

作風がその期によって違うことを感じ取ることは勿論ですが
技法自体が自身が語っているように「冒険」の旅を物語っているのが
作品から伝わってきます。

陶芸で大切な釉薬の調合量などの記述が記されているノートが
なんとそのまま何十冊は一見の価値があります。

ポスターにもなっている紺碧の深みのある青の器から
桜色に群青がかった花器など一つひとつの作品には
彼女の燐とした姿と陶器への意思が織り込まれているようです。

陶器を制作する過程やその連関・連鎖を述べた彼女の印象的な言葉を
幾つかご紹介します。

「轆轤(ろくろ)へのシンパシー」
「形態への尽きない感動」
「芸術論はいらない、美が大事」
「頭・目・手が一体となっていく」

これからの言葉や釉薬の調合している写真からみても
土との共鳴をいかに身体全体で表現していたかがうかがえます。

一方で戦争によって陶器のボタンを創ることに専念しなければ
いけなかった時代や、批判を受け作風が一度変わったが再び
彼女の不動となるスタイルに戻った等のエピソードにも
触れることができる貴重な展覧会です。

ルーシーリー2

6月21日までです。
急げ!急げ!