デザインのデザイン〜Design of Design




「住宅事情の悪さを日本人は宅地価格の高さのせいにしたがるが
 そうではない。住空間に対する美意識が成熟していないのである。
 つまり欲望の水準が低い」


気持ちよくそう言いきっているグラフィックデザイナーの
原研哉氏の(はら けんや)の「デザインのデザイン」をご紹介します。


デザインと一言でいっても多方面の職種が思い浮かべることができると思います。
その言葉の根底にある役割を解いています。



モダニズムがもたらした成果の一つがデザインとしています。
そしてテクノロジーの進歩によってプロダクツやコミュニケーションに
新たな可能性が見え隠れするたびに最適な答えを求められるのが
デザインでもあると説いています。



面白いことに全く新しいものを創造するだけではなく
見慣れたものを未知なるものとして再発見できる感性を
持つことも創造性としている。


「新」にしがみつくのではなく「旧」が「新」を受け入れることに
よって選択肢が増えるという発想の転換を促しています。


モダニズムの遺産を受け継ぎ、新たな世紀を創ることに意識が集まっていると。



どこに本質があるのか?
社会の多くの人々と共有できる問題を発見し
それを解決していくプロセス(共感できる価値観や精神性)に。
デザインの魅力はプロセスの中に感動が発生するというところにあるとも。



では我々はどうしたらいいのか?
「認識を肥やす」「ものと人間の関係を豊かにすること」
をキーワードとして出しています。


歯に衣着せぬものいい(書きよう)にも幾つかの
デザイナーたちの事例などからも気持ちよく素直に受け入れることができます。


今やどの町でも見かける「無印」のボードメンバーでも
ある著者だからこそ書かれていることは納得感があり、興味深いです。


著者が生活環境の一つの例として住宅をあげています。
私たちが生活している環境を形づくるものです。
必ず誰しもが戻る場であることから空間に少し目を向けてみないか?
と著者は読者に投げかけています。


その空間を「リ・デザイン」することで生活スタイルや
古い家族の固定の役割というものが自然となくなってくるかもしれません。



デザインのデザインという「肥やし」を自分に増やしたい方
人・物に関わるお仕事をされている方等にも
社会とデザインの関係性から必ずやビジネスのヒントとなる
智恵が沢山詰まった一冊です。